筑波大学は、概日リズム睡眠障害の改善に有効なアリピプラゾールについて、生物リズムを調節する脳の中枢に作用し、概日時計が外界の明暗サイクルに適応しやすくなることを明らかにしました。この研究は、櫻井武教授らの研究グループによって行われ、その成果は「Frontiers in Neuroscience」に掲載されました。
これまで、患者によく見られる睡眠障害には睡眠相後退症候群があります。この症候群は遅寝遅起きのため社会生活に影響を及ぼし、現在の治療法は限られています。しかし、アリピプラゾールは双極性障害の治療に使用されており、睡眠相後退症候群の症状にも効果があることが報告されています。
この研究では、アリピプラゾールが概日時計中枢に直接作用することで、睡眠覚醒リズムを外界の明暗サイクルに適応させる可能性を検証しました。マウスを用いた実験では、アリピプラゾールを投与することで新しい明暗サイクルへの同調が促進され、さらに分子・細胞レベルでアリピプラゾールの作用機序が明らかになりました。
&Buzzとしては、睡眠障害の改善に貢献する新たな治療薬の開発や、患者の社会生活の質を向上させるための研究が重要だと考えます。今回の研究により、アリピプラゾールの概日リズム調節の作用機序が一部解明されたことは、今後の概日リズム睡眠障害の治療に関する研究の進展に期待が持てると感じます。この研究を見守っていき、新たな治療法の実現を応援していきたいです。
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