ニーマン・ピック病C型(NPC)に対する治療薬候補として有望なシクロデキストリン(CD)の分子構造学的特性に関する研究結果が発表されました。ニーマン・ピック病C型は、小児期に進行性の中枢神経障害が発症し、患者の多くが10歳前後で亡くなる難病です。この研究チームは、CD誘導体とコレステロールとの結びつき方を解析し、より有効で安全な治療薬の開発を目指しています。
現在、CD誘導体の一つである2-hydroxypropyl-β-CD(HP-β-CD)の治験が行われていますが、限定的な治療効果や有害事象が問題となっています。この研究では、複数のCD誘導体の分子構造とコレステロールとの結びつき方を解明し、1:1複合体の安定性が有効性に、2:1複合体の安定性が毒性に寄与していることを明らかにしました。
今後、この研究結果を基にしたCDの分子構造最適化が進められ、HP-β-CDを上回る有効性と安全性を持つ次世代の治療薬が期待されます。&Buzzとしては、この研究の進展を見守っていきたいと思います。