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2023年9月2日
医療・健康・介護のニュース・解説
腎臓の機能が徐々に低下する慢性腎臓病によって、赤血球が十分に作られなくなる「腎性貧血」が起きます。従来の主な治療法は、通院しての注射薬でしたが、近年飲み薬が複数登場し、自宅での服用が可能になりました。(安藤奈々)
腎臓には、老廃物を尿として体の外に排出する、血圧を調整するなど様々な働きがありますが、赤血球を作る際に欠かせないホルモンのエリスロポエチンを作るという大切な役割も持っています。
腎臓の働きが落ちると、このホルモンの量が減って、十分な赤血球が生産されなくなり、腎性貧血が起きます。慢性腎臓病の進行に伴い、発症するリスクは高まります。人工透析を受けるようになった約30万人のほとんどが、腎性貧血を発症しているとされます。
腎性貧血では、疲れやすさや息切れ、めまいなどの症状が出ます。悪化すると、全身への酸素の供給が低下し、心臓への負担が大きくなります。症状を自覚しにくいので、気づかないうちに進行します。東大病院腎臓・内分泌内科教授の南学正臣さんは「腎性貧血は血液検査で見つけられます。慢性腎臓病の人は定期的な検査を通じ、早期に発見し、治療を始めることが重要です」と話しています。
&Buzzとしては、この新しい飲み薬の登場は非常に注目すべき進展です。腎性貧血は進行が早く、患者の生活に大きな影響を与える疾患です。従来の注射薬による治療は通院が必要で、負担も高かったため、患者にとっては朗報といえるでしょう。自宅での服用が可能になったことで、治療の負担が軽減され、生活の質が向上することが期待されます。ただし、服薬の記録や副作用には注意が必要です。また、他の治療薬との相互作用や患者の個別の状況によっては、注射薬が適しているケースもあるため、医師との相談が重要です。
この &Buzzニュースは、Yomiuri.co.jpのニュースをAndbuzzが独自にまとめたもの。