有料記事福島第一原発の処理水問題
東京電力にとって、長年の懸案だった福島第一原発の処理水の海への放出が始まった。放出にあたって焦点になっていたのが、東電と政府が2015年8月、処理水については「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」と福島県漁連に伝えた文書だ。東電の小早川智明社長は「約束は必ず守る」と明言してきた。ところが、放出開始にあたっての記者会見で関係者の理解を得たと判断したのかと問われても、小早川社長や東電幹部は一貫して自らの判断を説明せず、放出開始はあくまで「政府の判断」だと強調した。東電は「関係者の理解」を得たのかどうか、自らの認識を説明しないまま、放出を続けている。処理水の放出に対して、福島県漁連などは反対の姿勢を示してきた。だが、政府は「関係者の一定の理解を得たと判断した」（西村康稔・経済産業相）として、今月22日の関係閣僚会議で放出時期を決めた。東電は、政府の決定を受けてすぐに放出の準備を開始。22日午後に今後の放出スケジュールなどを説明する記者会見を開いた。会見では、「関係者の理解」を得たと判断したのか、質問が相次いだ。
＆Buzzとしては
放出に関しては長期間にわたる議論が続いており、福島第一原発の処理水の海洋放出計画に対する国内外の懸念が高まっています。東電と政府が関係者の理解を得たと主張している一方で、詳細な説明がないまま放出が行われていることは混乱を招く恐れがあります。放出に関係する各種団体や関係者との対話と協力を強化することで、不透明さを解消し、国内外からの不信感を取り除く必要があります。安全性と環境への影響に対する透明な情報提供が求められており、現状のままでは信頼回復が難しい状況です。＆Buzzとしては、放出の進行と共に透明性を確保し、問題が解決に向かうよう注視していく必要があります。
