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小型魚類の研究からヒトの神経難病の発症要因に迫る
神経難病の一つであるパーキンソン病は、症例報告から200年以上が経った現在も原因解明や治療法が確立されていない。松井秀彰教授はヒトにおける病態を解明するため、小型魚類をモデルに中枢神経の研究を行う。国内唯一と言われるアフリカメダカを使った神経難病の研究を進め、アフリカメダカが老化の過程でパーキンソン病に酷似した病態を呈することを解明した。
「病態を再現するモデル動物にメダカを使うことに驚く方もいますが、人類は魚類を経て進化しており、ほとんどの脳・神経の構造や機能は既に魚の段階から存在します。さらにほとんどのヒトの病気や障がいは魚でも再現できます。魚で脳・神経の働きおよび病態を解明し、得られた知見をヒト神経疾患の治療や理解につなげていきます」
2023年5月には長年の研究プロジェクトの成果が米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された。
「パーキンソン病において重要な分子の一つであるαシヌクレインの神経毒性に関係すると考えられるT64リン酸化の存在を明らかにしました。パーキンソン病の病態解明とその治療開発に役立つことが期待されます」
アフリカメダカを使った研究から、ヒトパーキンソン病の病態解明へ着実に前進している。この研究には松井教授がクラウドファンディングを立ち上げた「パーキンソン病の病態解明を目指して、アフリカメダカを使った研究を」の資金も活用されている。プロジェクトは早い段階で目標金額を達成し、パーキンソン病治療に対する社会の関心の高さがうかがえた。
「応援メールや患者会とのつながりは非常に励みになり、たくさんの方に研究室の活動を知ってもらうこともできました。研究室として『難病を克服する』『障がいを支え合う』『科学の歴史を刻む』という3点で社会に貢献するため、難病や障がいの本質理解を目指していきます」
研究に利用したアフリカメダカ。わずか3~5ヶ月の間に老化し、パーキンソン病を含む様々な加齢関連疾患の病態を呈する
αシヌクレインのT64リン酸化が異常な複合体の形成につながり、結果リソソーム機能障害やミトコンドリア機能障害、ひいては細胞毒性や神経細胞死につながると考えられる
博士(医学)。専門は神経科学。魚で神経難病やその他の疾患病態を解明し、得られた知見をヒト疾患の治療や理解につなげる研究を進めている。
研究者総覧
よく家族でアルビレックス新潟の試合観戦に行くいう松井教授。きっかけは、当時同クラブに所属していた本間至恩選手。「一人だけ周りの選手と動きが全然違った」とプレーに魅了された。写真は同選手のマン・オブ・ザ・マッチ特別仕様ユニフォーム「神ユニ」。
※記事の内容、プロフィール等は2023年7月当時のものです。
この記事は、新潟大学季刊広報誌「六花」第45号にも掲載されています。
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マーケティング担当からの感想:
&Buzzとしては、新潟大学の松井秀彰教授の研究に驚嘆しています。小型魚類を使ったこの研究が、神経難病であるパーキンソン病の病態解明や治療法の開発に大きく寄与していることが分かりました。アフリカメダカをモデルにした研究から得られた知見は、人類の神経疾患の理解や治療に役立つと期待されています。松井教授が立ち上げたクラウドファンディングの資金も充分に活かされ、社会からの関心も高まっていることが素晴らしいです。私たちとしては、この研究がさらに進展し、パーキンソン病患者やその家族にとっての希望となるよう見守っていきたいと思います。
この &Buzzニュースは、Niigata-u.ac.jpのニュースをAndbuzzが独自にまとめたもの。