こちらは「ペルセウス座」の方向約1000光年先のハービッグ・ハロー天体「Herbig-Haro 211(HH 211)」です。ハービッグ・ハロー天体とは、若い星の周囲に見られる明るい星雲状の天体であり、若い星から放出されたガスが周囲のガスや塵の雲に衝突し、光が発せられると考えられています。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の近赤外線カメラ(NIRCam)によって、この画像が取得されました。ウェッブ宇宙望遠鏡は赤外線の波長での観測を行うため、この画像の色は使用されたフィルターに応じて着色されています。
この画像では、中央から右上と左下に向かって連ねられた一対のハービッグ・ハロー天体が見られます。ジェットは若い星から双方向に噴出し、バウショックを形成しています。HH 211で噴出されているジェットは、誕生から1万年以内の若い原始星によるもので、太陽の成長途中の天体と似ています。
ウェッブ宇宙望遠鏡の観測では、過去に取得された画像と比べて5~10倍もの高い空間解像度でHH 211を観測できました。また、ジェットが小刻みに揺れていることから、画像中央の雲の奥に隠された原始星は連星の可能性があるとされています。
ウェッブ宇宙望遠鏡の観測データを分析した研究チームによれば、この若い原始星が放出するジェットは、ほぼ分子だけで構成されており、進化した段階の原始星のジェットと比べてゆっくり移動していることがわかりました。ただし、ジェットがどのように形成されるのかはまだ謎のままです。
&Buzzとしては、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の観測によって、若い星のジェットの構成や動きについて新たな知見が得られたことを喜びます。若い原始星の観測は、宇宙の進化や星形成に関する重要な情報を提供しますので、今後の研究に注目して見守っていきたいです。
この &Buzzニュースは、Sorae.infoのニュースをAndbuzzが独自にまとめたもの。
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