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時空のひずみが波となって光速で伝わる「重力波」が全天のあらゆる方向から、常時、地球に到来していることを示す証拠が、約20年に及ぶ電波天体の超高精度観測で得られた。理論的に存在が予想されていた「背景重力波」で、米国・カナダ、欧州、オーストラリア、中国、インド・日本の5つのグループが去る6月、同時に発表した。
背景重力波の波長は数光年から数十光年と非常に長大だ。言い換えると宇宙のあらゆる場所は背景重力波によって、数年から数十年という周期で非常にゆっくりと空間が伸び縮みしている。
その存在を明らかにするため、天文学者は天の川銀河に散らばる、精密時計のように決まった時間間隔で電波をパルス状に出す天体「パルサー」と地球を結ぶ直線を、空間の伸び縮みを計る測線として利用した。
背景重力波が宇宙に遍在していれば、それらのパルサーと地球の間の直線距離も数年〜数十年周期で伸び縮みしているはずなので、パルサーから出たパルスが地球に到着するタイミングが、その距離変動に応じて、予想される時刻よりも遅れたり早まったりする。5つの研究グループは、長期間の観測で得た膨大なデータを解析して、そうした現象が起きていることを突き止めた。
理論研究によれば、背景重力波は、全宇宙に散らばる巨大ブラックホールのペアの公転運動に伴って放射される重力波が重なり合ったものである可能性が高い。それは、巨大ブラックホールのダンスによって生じた時空のうねりだ。
巨大ブラックホールは銀河の中心に潜んでおり、太陽の数百万倍〜数十億倍もの質量を持つ。宇宙で最初の銀河が誕生して以来、銀河どうしが衝突・合体を繰り返すことで、銀河が大きく成長してきたと考えられている。そして銀河が合体する際には、もとの銀河に存在していた巨大ブラックホールが互いに引き寄せられて連星を形成し、重力波を放出しながら距離を狭め、最終的に合体して、より巨大なブラックホールになるとみられている。
宇宙全体で見れば、衝突が起きている銀河は多数あるので、巨大ブラックホールの連星もかなりの数が存在すると考えられている。背景重力波がとらえられたことで、巨大ブラックホール連星と銀河の研究が大きく前進しそうだ。
ただ、別の重力波源で背景重力波を説明できる余地も残っている。宇宙は誕生から1000兆分の1秒のそのまた1000兆分の1にも満たない間に、想像を絶する急膨張「インフレーション」が起きたという仮説が有力視されている。そのインフレーションの最中に、様々な波長の重力波が生じたと考えられる。原始重力波と呼ばれ、これが背景重力波の成分になっている可能性が指摘されている。
今回、背景重力波が存在する証拠をつかんだ5つのグループは、世界有数の大型電波望遠鏡群を用いて、今後さらに精度を上げてパルサーを観測、背景重力波の正体に迫りたい考えだ。
&Buzzとしては、背景重力波の発見は重要な科学的な成果です。この発見により、宇宙の進化や銀河の形成に関する理解が進むことが期待されます。背景重力波の研究は今後も進展していくでしょう。我々はこの研究を見守り、新たな知識や技術の発展に期待しています。
この &Buzzニュースは、Nikkei.comのニュースをAndbuzzが独自にまとめたもの。
