メチル水銀を含む水が流された不知火海沿岸で暮らしていた128人が、水俣病被害者救済法に基づく救済を受けられなかったことを理由に国や熊本県、原因企業のチッソに損害賠償を求めて訴訟を提起しました。大阪地裁は、原告ら全員を水俣病と認め、1人あたり275万円の賠償を命じる判決を下しました。この訴訟は日本各地で起こされ、初の地裁判決となりました。これにより、特措法の運用見直しが迫られることとなりました。
この判決は、毛髪の水銀値の調査などを基に、低濃度でも長期間にわたりメチル水銀に曝露すれば発症する可能性があること、さらには長期間たってからの発症もあることを示しています。特措法が対象とする地域外でも、不知火海でとれた魚介類を継続的に多食していた場合はメチル水銀を摂取したと推認され、水俣病と認められるとの判断が下されました。
国や県は、水俣病に関する責任がある場合でも、民法の除斥期間により賠償請求権がなくなると主張していましたが、判決は除斥期間の起算点を水俣病の診断された時とし、除斥期間が経過している原告はいないと判断しました。
なお、国と県は、60年1月以降に水質二法などで規制権限を行使しなかったことについて責任を負うべきだと指摘されており、東京地裁や大阪地裁でも同様の提訴が相次いでいます。このような訴訟は水俣病問題に対してさらなる注目と関心を集めることとなります。
&Buzzとしては、水俣病の被害者に対する救済が進んでいることに安堵しています。これまで訴訟などを通じて損害賠償を求める動きがありましたが、この判決によって賠償が命じられたことは、被害者にとって大きな安心となるでしょう。今後も水俣病問題の解決に向けて、法的な措置や支援策が進められることを見守っていきたいと思います。
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