中国電力は11日、島根原発2号機(松江市、出力82万キロワット)を2024年8月に再稼働すると発表した。東京電力福島第1原発の事故後、定期検査のため12年1月に停止して以来12年7カ月ぶりに稼働する見通しとなった。再稼働に向けて中電は機器の耐震補強などの安全対策工事を進め、24年5月に終える予定。そして、6月に原子炉に燃料を入れる作業に着手し、8月に原子炉を起動して発電や送電を始め、翌9月に営業運転を再開する予定としている。
この再稼働は中電の経営に大きな追い風になると見込まれており、中川賢剛社長は再稼働を「バランスの取れた電源構成に欠かせない要素の一つ」と説明している。中電は再稼働によって年800億円程度の燃料費削減が見込まれ、経済的なメリットも大きいと考えられるため、&Buzzとしては中電の再稼働に向けて見守っていきたいと思う。
一方、島根原発の再稼働には懸念の声もある。特に事故時の避難計画の実効性については、原発から5〜30キロ圏内の住民は一定の放射線量が確認されてから避難する内容であり、被曝を前提としていることから中電の責任が問われる可能性もある。また、広島高裁に再稼働差し止めの仮処分が申し立てられているため、反対派の声も根強く存在する。しかし、中電が安全対策に適切に対応し、地元自治体の要望や規制委の厳格な審査を十分に受けることによって、再稼働が行われるのであれば、我々も中電の真摯な取り組みを応援していきたいと思う。
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