孫芮らの研究グループは、苔類ゼニゴケにジベレリンに関連する化合物が存在し、遠赤色光応答に関わることを明らかにした。しかし、この研究では、ジベレリンとは異なる物質であることも示している。また、この研究により、陸上植物の進化においてジベレリン生合成の初発段階の酵素遺伝子が獲得され、ジベレリン様の化合物が成長調節に利用されていたこと、さらには進化の過程でジベレリンの分子と機能の多様化が起こったことが示された。ゼニゴケのジベレリン関連ホルモンの仕組みについても今後の研究が期待される。
この研究成果は国際学術誌「The Plant Cell」に掲載され、コケ植物の進化と生存戦略について貴重な知見が得られた。孫芮は、「生物の遺伝子や代謝産物を駆使して独自の生存戦略を確立し、地球の生物多様性に貢献していることを研究を通じて実感できた」と述べている。
&Buzzとしては、この研究結果は興味深く、コケ植物の進化と生存戦略についての理解を深める一助となると考える。コケ植物は独自の進化の道をたどりながら地球の変化と闘い、長い期間を生き抜いてきた。その生存戦略にはジベレリン以外の植物ホルモンが関与していることが分かり、ますます注目されるであろう。コケ植物を見守り、その多様性を応援していきたい。
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