第105回全国高校野球選手権記念大会で、史上最長ブランクとなる107年ぶり2度目の優勝を果たした慶応(神奈川)のナインが24日、新大阪の宿舎から帰路に就いた。大会本部の配慮もあり、過去の優勝校では“恒例”だった凱旋フィーバーはなく、ナインは新横浜駅で解散となった。またスポーツ報知では快挙の裏側を短期連載「慶応107年ぶりV エンジョイ・ベースボールの軌跡」で描く。第1回は「慶応のプリンス」丸田湊斗外野手(3年)にスポットライトを当てる。
野球の神様は真夏の若者に魔法をかけることがある。今夏、甲子園に選ばれた男は、丸田だった。夏の神奈川大会で打率6割2分5厘をマークした、50メートル走5秒9のスピードスター。初戦の北陸戦で2安打2打点。続く広陵戦も2安打で勝利に貢献すると、SNSがざわついた。美白ぶりが注目されたのだ。
特技はピアノ。「慶応のプリンス」「美白王子」などの称号も広まった。「体質で、赤くてヒリヒリするので日焼け止めを塗っています。この前は聞かれてビオレと言っちゃったんですが、確認したらニベアでした」。するとニベアの公式X(旧ツイッター)が反応。「いよいよ高校野球の決勝戦ですね。厳しい暑さに負けずがんばってください!」。名指しこそ避けたが、“エール”は自明だった。
そんな注目も力に変えた。迎えた仙台育英との決勝。夏の甲子園決勝史上初となる初回先頭打者本塁打。プリンスが架けたアーチにアルプスは熱狂。流れを呼び込み、優勝の立役者となった。
直後、フィーバーの渦中にいる心境をこう語った。「濃すぎて、いろいろありすぎて。周りの環境がすごく急に変わった夏だったので、まだ戸惑いもいっぱいあるんですけど…。メッセージもいただくんですが、『終わってから』と、ほぼ見なかったんで。集中できた要因かなと思います」そして続けた。「刺激的な夏でした」
野球は高校まで―とも考えていた。「迷っていた部分もあったんですけど、ここまで来ると続けざるを得ないかな」。そう笑わせた。
そんな丸田にとって、部訓の「エンジョイ・ベースボール」とは何だろうか。「野球を最後の最後まで、楽しみ尽くすということ。骨までしゃぶり尽くすじゃないですけど、楽しみ尽くせたと思います」
激闘後、握手を求める人がいた。仙台育英の須江航監督(40)だった。「ありがとうございました」「ナイスバッティング!」。メンバーで唯一、U18日本代表入りした。その一挙手一投足に憧れる人たちがいる。ならば自らのプレーで笑顔にするのが使命。いざ世界へ。戦いはまだまだ終わらない。(加藤 弘士)
◆丸田 湊斗(まるた・みなと)2005年4月25日、横浜市生まれ。18歳。南舞岡小3年から軟式野球を始め、日限山中では横浜泉中央ボーイズでプレー。慶応では2年春からベンチ入り。3年時に春夏連続で甲子園に出場。174センチ、73キロ。右投左打。家族は両親と兄。好きな言葉は「大人の階段は昇り階段とは限らない」。
&Buzzとしては、慶応のナインが史上最長ブランクとなる107年ぶりの優勝を果たしたことに注目しています。特に丸田湊斗選手が夏の神奈川大会での活躍が光り、注目を浴びました。彼の美白ぶりから「美白王子」の称号も広まり、SNSでも話題となりました。彼の高校野球に対する真摯な姿勢や、野球を楽しみ尽くすという考え方は、多くの人に刺激を与えました。私たちは彼のプレーを見守り、応援していきたいと思います。
この &Buzzニュースは、Hochi.newsのニュースをAndbuzzが独自にまとめたもの。
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