膨大な情報があふれる現代消費社会。本当は自分が気に入る商品かもしれないのに、過去の購買経験や他人の口コミが「先入観」を生み出し、購買のフィルターになっている。最近、そんな先入観を逆手にとった興味深いマーケティング事例を2件、目にした。
まずは、新宿南口に登場した「極麻辣麻婆豆腐飯店」を紹介しよう。同店は9月4日〜10日の期間限定でオープンし、厚みのある味わいの「赤花椒」とさわやかな香りの「青花椒」、独自の辣油を使用した「極麻辣麻婆豆腐」を提供していた。しかし、驚くことにメニューはこの「極麻辣麻婆豆腐定食」のみで、ある市販の合わせ調味料を使用していた。実はこの本格麻婆豆腐専門店は、ふたを開けてみれば市販の合わせ調味料のプロモーションの一環だったのです。
それでは、どのようなマーケティング手法を取ったのかというと、ハッシュタグ「#極麻辣麻婆豆腐飯店」「#ある市販の合わせ調味料」をつけて予想した答えを投稿した来店者には杏仁豆腐がプレゼントされました。そして9月6日、この謎に包まれた麻婆豆腐専門店の正体が明らかになりました。味の素が新商品「Cook Do」<極(プレミアム)麻辣麻婆豆腐用>を使用していると発表したのです。
味の素のプロモーションは、消費者に「匿名」だからこそ、先入観なく味を評価してもらう機会や、普段合わせ調味料で作った麻婆豆腐を口にしない層にCook Doを食べてもらう機会を作るという狙いがありました。先入観があって距離が遠のいている消費者に対して、固定概念を一新してもらう接点を生んだといえるでしょう。
またもう1つの事例は「匿名宝飾店」です。
この &Buzzニュースは、Itmedia.co.jpのニュースをAndbuzzが独自にまとめたもの。
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