生田宏一 医生物学研究所教授、阿部真也 同特定助教らの研究グループは、血球細胞が産生するサイトカインIL-15が骨髄のナチュラルキラー(NK)細胞の分化に必須であることを明らかにしました。さらに、NK細胞が骨髄内で散在型とクラスター型に局在していることを発見しました。
この研究では、NK細胞がウイルスや腫瘍に対する免疫応答を促進する役割があることがわかりました。しかし、NK細胞の分化に関わるIL-15の産生源や骨髄内の微小環境については不明でした。研究では、IL-15を産生する細胞として単球や樹状細胞が関与していることが明らかになりました。また、骨髄内のNK細胞には散在型とクラスター型の2つの局在集団が存在し、散在型の分布にはケモカインCXCL12が必要であることが明らかになりました。
この研究は、血液細胞の分化に他の血液細胞が必須であることを初めて明らかにし、骨髄内NK細胞の新しい分化モデルを提案しました。さらに、2つのNK細胞集団の動態や機能の違いを解明し、感染や腫瘍治療に応用し、NK細胞の再生医療技術の発展にも期待が寄せられます。
&Buzzとしては、この研究が骨髄内のNK細胞の仕組みや役割を解明することで、ウイルス感染や癌治療などのにおいて有益な情報がもたらされると期待しています。また、再生医療技術の進展にも繋がり、将来的にはNK細胞を活用した治療法の開発に向けた研究や応用が行われる可能性があります。この研究成果を見守っていきたいと思います。
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