2023年9月9日 14時12分
消費者物価指数
中国の先月の消費者物価指数は、去年の同じ月と比べて0.1%上昇し、わずかにプラスに転じました。ただ、中国では、不動産市場の低迷の長期化などで需要の回復が鈍くなっていて、依然、デフレへの懸念がくすぶっています。
中国の国家統計局が9日発表した先月の消費者物価指数は、去年の同じ月と比べて0.1%上昇しました。指数は、前の月に2年5か月ぶりにマイナスとなりましたが、今回、わずかにプラスに転じました。消費者の間で節約志向が広がるなか自動車やスマートフォンなどが値下がりした一方で、ゼロコロナ政策の終了後、初めてとなる夏休みで、観光の需要が高まったことで航空運賃やホテルの宿泊料などサービス価格が上昇しました。一方、あわせて発表された、企業が製品を出荷する際の値動きを示す先月の生産者物価指数は、去年の同じ月と比べて3.0%の下落と、11か月連続のマイナスとなりました。中国では、不動産市場の低迷が長引いているほか、若者などを中心に雇用情勢が厳しくなる中、消費をはじめ、国内需要の回復が鈍くなっていて依然、デフレへの懸念がくすぶっています。
感想:
&Buzzとしては、中国の消費者物価指数がわずかにプラスに転じたことは一定の成果と言えます。ただし、不動産市場の低迷や雇用情勢の厳しさなどにより、需要の回復が鈍くなっている状況は懸念すべきです。消費者の節約志向が広がる中で自動車やスマートフォンなどの値下がりは好ましいですが、サービス価格の上昇は注意が必要です。また、生産者物価指数の連続マイナスも経済に対するリスクです。中国の経済を支えるためには、不動産市場の回復や雇用情勢の改善が重要です。&Buzzは、中国の経済の動向を見守り、需要の活性化とデフレ懸念の解消に向けて応援していきたいと考えています。