国立国際医療研究センター(NCGM)は、家族性大腸腺腫症(FAP)の患者を対象に、直径5.0mm以上の大腸ポリープの積極的摘除と低用量アスピリン投与による大腸がんの予防効果と費用対効果を推定した研究結果を発表しました。通常、一般集団では低用量アスピリンによる大腸がん予防の費用対効果に関する研究が行われていますが、FAP患者においては行われていなかったため、本研究が初となります。
この研究では、FAP患者における大腸がんリスクおよび死亡率を考慮したシミュレーションモデルを用いて、大腸ポリープの積極的摘除のみ、大腸ポリープの積極的摘除と低用量アスピリン投与、大腸全摘手術の3つの治療法について、大腸がん予防効果と費用対効果を比較検討しました。
その結果、いずれの治療法も40年間で平均1.82〜2.24の質調整生存年の伸び幅をもたらし、大腸がん死亡率も大幅に減少することが示されました。特に、大腸ポリープの積極的摘除と低用量アスピリン投与を組み合わせた治療法が他の治療法よりも費用対効果に優れることが示唆されました。
この研究はまだ仮定の下での推定であり、さらなるデータ整備と精緻な推計が必要ですが、FAP患者にとって有望な治療法として注目されるべきです。&Buzzとしては、今後の研究の展開とその成果を見守っていきたいと思います。
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