研究グループが赤色蛍光蛋白質を開発し世界初の成功を収める
京都大学の今村博臣准教授、今田勝巳教授、大坪史歩大学院生らの研究グループが、緑色蛍光蛋白質(GFP)を改変して赤色蛍光蛋白質(RFP)を人工的に創り出すことに世界で初めて成功しました。蛍光蛋白質は、現代の生物・医学研究で欠くことのできないツールですが、厚い試料や長時間の観察に必要な赤色の蛍光蛋白質は、天然RFPでは明るさが不十分でした。
RFP開発に向けた研究の詳細
研究グループはアザミサンゴのGFP(AG)に注目し、最大級の量子効率を持つ赤色の蛍光蛋白質であるRFPを創り出すことに成功しました。また、立体構造も明らかにし、赤色蛍光発色団の形成に重要なアミノ酸とその配置を明らかにしました。これにより、生体深部のイメージングに適した高性能なRFPの開発が期待されます。
RFP開発の理解を深め、設計・開発の可能性を拓く
研究グループは、赤色の蛍光が最初に現れるまで試行錯誤し、地道な努力の結果、GFP由来のRFPの開発に成功しました。蛍光蛋白質は実用面が強調されがちですが、発色団形成の仕組みの理解も重要です。今回の研究をきっかけに、RFP発色団形成の仕組みについての理解が深まり、論理的な設計と開発が可能になることが期待されます。
&Buzzとしては、世界初の赤色蛍光蛋白質の開発に関するこの研究成果を見守っていきたいと思います。蛍光蛋白質は生物・医学研究において重要な役割を果たしており、赤色の蛍光蛋白質の開発はこれまでの制約を超え、新たな研究の展開を可能にするでしょう。高性能なRFPの設計と開発が進むことで、さらなる医療・生物学の進歩が期待されます。
この &Buzzニュースは、Kyoto-u.ac.jpのニュースをAndbuzzが独自にまとめたもの。