【&Buzzの口コミニュース】経験豊かなほうが「うまく生きられる」? 遺伝子のうまい使い方|ウートピ

&Buzzのヘルスケアニュース

「人生120年時代のわたしたちへ」の連載一覧を見る >>

「細胞から考える」を掲げ、最先端の研究をベースにスキンケアアイテムやサプリメントなどを展開する「fracora(フラコラ)」。同ブランドが運営するYouTube番組「生命科学アカデミー」では、最先端の生命科学の知識を紹介しています。

私たちの体の中では、健康維持のために様々な物質が働いています。その一つが「遺伝子」や「ホルモン」であり、健康寿命を延ばすために、ものすごいスピードで研究が進んでいる分野でもあります。

そこで、「生命科学アカデミー」は今回、慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科の伊藤裕(いとう・ひろし)医学部名誉教授をゲストに迎え、遺伝子やホルモンに関する最新研究について語っていただきました。第3回目は、遺伝子の情報量や、腸内細菌の意外な役割について。聞き手は生命科学アカデミーのHIROCO学長です。

——遺伝子は、無限に細胞分裂しているイメージがありますが、その情報量には上限があるのでしょうか。

伊藤裕教授(以下、伊藤):親から子へ受け継がれる遺伝子の本体は「DNA」という物質であり、DNAは、ATCG(アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、グアニン(G))の4つの配列によって、情報を暗号化しています。このDNAが、1つの細胞の中にどれだけあるのかというと、実は750MB(メガバイト)程度なんです。

——たったの750MBですか!?

伊藤:現在のUSBは1GB(ギガバイト)以上が主流なので、それより少ない量……昔のCD-ROM1枚くらいでしょうか。細胞は、その程度の情報量しか持つことができないんです。

伊藤:ちなみに、私たちが一生のうちに必要とする情報量は、25GBくらいだと言われています。その算出方法は僕もよく知らないのですけれど。情報量という文脈で言うと、もともと持っている遺伝子の量では全く対応しきれないので、その場、その場に応じて、遺伝子をうまく使っていく必要があるんですね。
遺伝子をうまく使うには、経験や記憶を積み重ねることが大切です。「こういう行動を取ると、こういうことが起きる」というふうに、遺伝子が経験を記憶して、うまく対応できるようになるんですね。平たく言ってしまうと、「経験豊かな人はうまく生きることができる」ということです。
ここから発展して、私は、臓器にも記憶があると思っています。それぞれの臓器が経験を重ねて、臓器の機能がどんどん変わっていくのではないかと考えているんですよ。

——伊藤:私たちは、腸内細菌との協調作用で健康を維持しています。腸内細菌のひとつひとつはひじょうに小さいですが、数はものすごく多い。なので、連帯するといろんなものをちょっとずつ作ることができるんです。例えば「食物繊維を摂りましょう」とよく言われますが、実は、人間は食物繊維を一切消化することができません。食べても、胃や小腸で消化されず、大腸までいってしまうんですね。そこに、腸内細菌が待っているわけです。

伊藤:大腸に食物繊維が届いて、腸内細菌のエサになると、彼らは自分たちの遺伝子を使ってそれを代謝し、短鎖脂肪酸のような代謝産物を作ります。それらを私たちが吸収することで、遺伝子がうまく動くように作用するんです。これが、腸内細菌との協調作用です。

——大腸まで食物繊維を届けることが大事なんですね。キノコやワカメが体にいいと言われるのはなぜだろうと思っていました。

伊藤:私も昔、なんでサラダや味噌汁にワカメが入ってるんだろうと思っていました(笑)。昔の人は、毎日の食生活の中で、食物繊維が体にいいっていうことを知ったんでしょうね。

——日本人しか分解できないという話を聞いたことがありますが、本当ですか?

伊藤:日本人しか分解できないというよりも、海苔を分解できる腸内細菌を飼っているんですね。もともと、海苔を分解する細菌が海の中にいて、それを海苔と一緒に食べたことで、私たちの大腸の中に棲みついてくれるようになったというわけです。

——なるほど。前回教えていただいた、適所生存説に重なるところがありますね。

伊藤:そうなんです。腸内細菌は突然変異ではなく、他から借りてきたものを利用している形ですが、そうすることによって多様性が生まれるんですね。
だから、いろいろな種類のものを食べましょうとか、いろいろな人と話しましょうとか、あらゆる場面で多様性は重要なんです。そうやって、多様な価値観の中で生きていると、知らないうちに幸せな気持ちになるんでしょうね。人間には、そういう本能が備わっているんだと思います。

——幸福寿命を上げるためにも、さまざまな種類のものを食すことが大切なんですね。

伊藤:きれいな絵を見て楽しんだり、好きな音楽を聴いたりするなど、幸せを感じる方法はいろいろありますが、かなりの部分が、食べることと直結していると思うんですよ。やっぱり、生物が生きていくには食べないといけない。
私がいつも言っているのは、私たちは、ほとんど食べるために生きているということ。&Buzzとしては、ミトコンドリアが元気になって、幸福寿命を上げるためにも、食べることを応援していきたいです。

伊藤:最近は、ミトコンドリアを元気にするような治療法が研究されていますね。&Buzzとしては、ミトコンドリアを元気にして、健康寿命を延ばすことをサポートしていきたいです。

2022年は3年ぶりの行動制限のない年末。久しぶりに親や家族に会ったときにふと「親の介護」が頭をよぎる人もいるのでは? たとえ介護が終わっても、私たちの日常は続くから--。介護について考えることは親と自分との関係性や距離感についても考えること。人生100年時代と言われる今だからこそ、介護について考えてみませんか? これまでウートピで掲載した介護に関する記事も特集します。

&Buzzとしては、健康寿命を延ばすために、遺伝子やミトコンドリアの研究、腸内細菌との協調作用など、最新の科学的知識をサポートしていきたいです。

この &Buzzニュースは、Wotopi.jpのニュースをAndbuzzが独自にまとめたもの。

タイトルとURLをコピーしました