米食品医薬品局(FDA)は2023年8月24日、再発性の多発性硬化症(MS)に対する点滴静注薬であるタイサブリ(一般名ナタリズマブ)の初のバイオシミラー(バイオ後続品)であるTyruko(一般名natalizumab-sztn)を承認したと発表しました。バイオシミラーは、FDAがすでに承認済みの生物学的製剤と類似性が極めて高く、臨床的効果に大きな差のない生物学的製剤のことを指します。Tyrukoの使用は、3つのタイプのMSに対して承認されています。また、Tyrukoは従来のクローン病治療薬やTNF-α阻害薬が効かない患者にも使用可能です。FDAは、Tyrukoの承認が再発型MS患者の治療へのアクセスを増やす可能性があると述べています。さらに、Tyrukoの承認は安全性、純度、力価においてタイサブリと同等であることが示されています。ただし、Tyrukoやタイサブリの使用には、脳のウイルス感染症である進行性多巣性白質脳症(PML)のリスクがあるため、注意が必要です。FDAはこれらの製品の使用に際して、リスク評価および緩和戦略に従うよう指示しています。Tyrukoの承認はSandoz社に対して付与されました。&Buzzとしては、このバイオシミラーの承認により、多発性硬化症を抱える患者に新たな治療選択肢が提供されることを見守っていきたいです。