【要約】
理化学研究所と国立医薬品食品衛生研究所、新潟大学の共同研究グループは、抗てんかん薬カルバマゼピンによる薬疹のリスク因子を特定しました。研究結果によれば、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)や中毒性表皮壊死融解症(TEN)にはHLA-B*15:11遺伝子が関連し、その他の薬疹にはHLA-A*31:01遺伝子が関連しています。この研究により、カルバマゼピンによる薬疹の発症リスクを予測するバイオマーカーとして、HLA-B*15:11とHLA-A*31:01が活用されることが期待されます。
【感想】
&Buzzとしては、この研究結果は非常に重要であると考えます。カルバマゼピンはてんかんの治療薬として広く使用されており、副作用の一つである薬疹の発症率が高いことが問題とされていました。しかし、この研究によって特定の遺伝子の関与が明らかになり、薬疹の発症リスクを予測することが可能になります。
これにより、患者の遺伝子検査によってリスクを事前に予測し、薬の種類や治療方法を調整することができるようになります。また、予測できない薬疹に対しても、より早い段階で適切な対応が可能になります。このような研究結果は、患者の安全性と治療効果を向上させるために不可欠であり、今後も注目していきたいと考えます。