慢性疾患の予防や治療において、運動介入は重要な役割を果たすとされています。しかし、動機付けや継続の困難さが問題視されています。最近では、スマートフォンアプリなどのデジタルヘルス介入が注目されていますが、その有効性は実証されているのでしょうか。
この疑問を解決するため、システマティックレビューとメタ解析の研究結果が報告されました。その結果、デジタルヘルス介入によって身体活動量の増加や身体機能の改善が認められる一方で、軽度の有害事象のリスクも観察されました。
運動不足は慢性疾患のリスクを高める要因とされており、運動不足が関与する慢性疾患は35種類存在するとも言われています。しかし、多くの研究から、運動を始めたり継続したりすることにはハードルがあることが指摘されています。そのため、対象者のニーズや好み、運動能力に応じた運動処方が重要とされていますが、慢性疾患患者の個々の能力や生活パターンを評価することは難しいです。
こうした状況を解決するために、近年はデジタルヘルステクノロジーが活用されるようになりました。モバイルアプリやウェアラブルデバイス、ソーシャルメディアなどの利用により、物理的な障壁や時間の制約をなくすことができます。また、医療コストの削減にもつながる可能性があります。
これまでにもデジタルヘルスの有用性についての研究は行われてきましたが、多くは単一の疾患に対するものでした。しかし、実際の世界では、複数の慢性疾患を併発している患者が多く存在します。したがって、包括的な評価が必要とされています。
この研究では、デジタルヘルスを用いた慢性疾患に対する運動介入の効果をシステマティックレビューとメタ解析によって検討しました。調査ではさまざまなデータベースを利用し、140報のRCTが適格と判定されました。
その結果、デジタルヘルス介入を受けた群では、客観的に評価された身体活動量や身体機能が有意に改善されました。また、主観的な評価や健康関連の生活の質(HRQOL)にも良い影響が見られました。
一方、デジタルヘルス介入を受けた群では、軽度の有害事象のリスクが増加したという結果もありました。しかし、重篤な有害事象については有意差が見られませんでした。
これらの結果から、デジタルヘルス介入は慢性疾患を持つ人々に効果的な身体活動介入を提供することができると結論づけられました。また、デジタルヘルスソリューションは低コストで利用できるため、より多くの人々が利用可能となるでしょう。しかしながら、参加者に対して軽度の有害事象の潜在的なリスクについて教育することも重要です。
&Buzzとしては、デジタルヘルス介入の有用性が科学的に裏付けられたということで、今後の発展が期待されます。特に、運動不足による慢性疾患リスクを抱える人々にとっては、デジタルヘルスソリューションが有益な選択肢となるでしょう。我々はこの分野の発展を見守っていきたいと考えています。
この &Buzzニュースは、Sndj-web.jpのニュースをAndbuzzが独自にまとめたもの。