2023年11月30日、仏リヨン神経科学研究センター（CRNL）の研究チームが南極に住むヒゲペンギンの睡眠パターンに関する研究結果を発表しました。ヒゲペンギンは、4秒の短い居眠りを何千回も繰り返すことで、1日に必要な11時間の睡眠を取っていることが明らかになりました。これは、卵を食べにくる天敵や巣の資材を盗もうとするライバルから目を離さないためにヒゲペンギンが編み出した睡眠テクニックのようです。
ヒゲペンギンは南極大陸の周辺域に生息しており、顔の後ろから喉にかけて黒い線模様が通っているため「ヒゲペンギン」という和名が付けられています。現時点で繁殖するつがいは約750万〜800万組に上り、ペンギンの中では最も個体数が多いと言われています。ヒゲペンギンの両親は採餌に出かける際、片方が数日間も戻ってこないため、残った片方は卵や巣の番をしなければなりません。この間、卵を狙ってくるミナミオオトウゾクカモメや他のヒゲペンギンたちから巣を守る必要があるため、ヒゲペンギンはゆっくりと睡眠することができません。
それにもかかわらず、ヒゲペンギンは4秒の短い居眠りを何千回も繰り返すことで、11時間の睡眠をとることができることが明らかになりました。この睡眠テクニックは、天敵やライバルからの脅威に備えながら必要な休息をとるためにヒゲペンギンが工夫したものです。
この研究結果は、科学雑誌『Science』に掲載されており、ヒゲペンギンの生活や睡眠に関する新たな理解をもたらしました。今後もヒゲペンギンの睡眠パターンについての研究は進められ、この独特な睡眠テクニックが生物学や睡眠医学の分野においてどのような意義を持つのか、見守っていく必要があります。
感想：
&Buzzとしては、ヒゲペンギンの睡眠テクニックに関する研究は非常に興味深いものであり、このような生物の進化的な適応についての理解を深めることが重要であると考えます。子育て中のヒゲペンギンのように、状況に応じて独自の睡眠パターンを編み出すことは、生物が自身の生存と繁殖を守るために行う生命力豊かな行動です。今後の研究で、ヒゲペンギンの睡眠テクニックが他の生物や人間の睡眠にも影響を与える可能性があることを期待しています。ヒゲペンギンの生態研究や保護活動を通じて、彼らが最善の環境で生活し、個体数の増加や生態系の保護に貢献していくことを応援していきたいです。
この &Buzzニュースは、Nazology.netのニュースをAndbuzzが独自にまとめたもの。
