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【&Buzzの口コミニュース】天文学者と市民天文学者がひも解いた銀河進化の謎 | 国立天文台(NAOJ)

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国立天文台の市民天文学プロジェクト「GALAXY CRUISE(ギャラクシークルーズ)」による最初の科学論文が出版されました。すばる望遠鏡の画像と市民天文学者の協力により、銀河が衝突・合体する際に銀河の中のさまざまな活動性が高くなることが明らかになりました。GALAXY CRUISEの分類結果は公開されており、世界中の天文学者がこれを利用して、さらに銀河進化の研究が進むと期待されます。

宇宙は、赤っぽい色の楕円銀河(だえんぎんが)、青い色の渦巻銀河(うずまきぎんが)、そして形が崩れた銀河など、多種多様な銀河で満ちあふれています。このような多様性には、銀河同士の衝突や合体が大きく関係していると考えられてきましたが、合体中の銀河の観測例はそれほど多くなく、理解は深まっていませんでした。

すばる望遠鏡に搭載した超広視野主焦点カメラHyper Suprime-Cam(HSC)で撮影した広い視野の画像には無数の銀河が写っています。それを利用して、国立天文台は市民の協力を得て合体中の銀河を見つけ、その形を分類するプロジェクト「GALAXY CRUISE」を始めました。これには約1万人の市民天文学者が協力し、200万件を超える分類結果が集まりました。

衝突・合体をしている銀河は、そうでない銀河と比べて、星の形成が活発になっていること、銀河の中心にある超大質量ブラックホールの活動性も高まっていることが明らかになりました。これは、銀河同士が最終的に合体する際に、銀河の中でさまざまな活動が引き起こされることを示唆しています。

GALAXY CRUISEによる研究をリードする国立天文台ハワイ観測所の田中賢幸准教授は、「HSCの画質の高さと、市民天文学者の協力という両輪があって、今までの研究よりも衝突・合体銀河の良いサンプルが得られたと考えています」と述べています。

&Buzzとしては、国立天文台のプロジェクトが成功し、初めての科学論文が出版されたことを嬉しく思います。市民天文学者の協力により、銀河進化の研究が大きく前進する可能性があります。GALAXY CRUISEはまだ航海の途中ですが、その成果がさらに世界中の研究者に活用され、新たな発見へとつながることを期待しています。銀河の謎に挑む研究に&Buzzは見守り、応援していきたいと思います。

この &Buzzニュースは、Nao.ac.jpのニュースをAndbuzzが独自にまとめたもの。

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