2023年10月23日(月)
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青森県の八甲田山系で計画中だった国内最大級の「(仮称)みちのく風力発電事業」の事業者、ユーラスエナジーホールディングスが10月、事業撤退を表明した。強い風が吹き、風力発電設備の導入量で全国最多を誇る地域で計画はなぜ頓挫したのか。メーカー技術者の立場で風力発電開発に携わった経験がある弘前大地域戦略研究所長の本田明弘教授に尋ねた。【聞き手・江沢雄志】
――みちのく風力発電事業の進め方には、どこに問題があったのでしょうか。
◆そもそも今回の計画は、従来の環境影響評価(アセスメント)で想定していた規模から考えると計画区域が広すぎます。また、はたから見ていると住民の方々の声を吸い上げるところが少し不足していたのかなという気はします。
――今回の計画には景観や環境への負荷を懸念する地域住民、地元の首長がこぞって反対しました。
◆(環境アセスメントで第1段階の)配慮書を事業者が出す前、計画初期の段階で地域のニーズを丁寧に調査すべきでした。地域住民が事業を応援する気持ちになるような仕組みが必要だからです。
例えば大都市への送電だけでなく、八甲田のロープウエーに使う電力も供給するとか。そうでないと「見知らぬ業者が来て、家の前に大きい構造物をつくってもうけている」という反発につながるでしょう。
――地域振興策が不十分なのでしょうか。
◆国が考えるエネルギーの価値には4要素があるとされています。環境適合、経済効率性、安定供給と安全性。これに加え、私は持続可能性と社会的便益が必要不可欠と考えます。地域を比較的長い期間、支えられるようなエネルギーがいいのではないかというのが持続可能性です。
風というのは地域のエネルギーで、そう簡単にはなくならない。近くにあるのなら、上手に使ったらいい。それも地域の人が実感できるような価値を付けるのが一番大切です。
事業者が自治体へ税金を納めるだけでなく、さらに住民の実感につながる工夫が大切です。電気料金が他の地域より安くなるなど、現場に近い人たちが何らかの恩恵を受ける仕組みを作る必要があります。
――八甲田山系は風力発電の適地ではなかったのでしょうか。
◆風の吹き方という意味では非常にいいですが、それが発電にいいかどうかは別問題。住民が受け入れるかどうかに尽きます。
景観などでマイナス面がある一方、事業者が収益の一部を地域に分けることで収入面はプラスになる。それを比較して事業を受け入れるかどうかは、自治体が住民の意見を丁寧に吸い上げた上で、どう判断するかにかかってくるでしょう。
――青森県は9月に「自然環境と再生可能エネルギーとの共生構想」を発表し、陸上風力についても建設禁止区域を指定するゾーニング条例の制定に向けて検討を始めています。
◆ゾーニングの方法にも課題はありますが、ゾーニングができていれば、今回のようにいきなり計画が明らかになり、摩擦が生まれることは減らすことができると思います。事業者の「一方的な片思い」になってしまう可能性もあるので、地域の状況をよく理解して事業計画を立ててもらうには、市町村レベルでゾーニングを義務づけるのもいいかもしれません。
――風力発電をどのように生かしていくべきでしょうか。
◆青森の風況の良さは全国で見ても突出しています。特に洋上風力に関しては県外や国外の事業者から注目を集めています。風は地域の資源という意識で、地域の活性化につなげていきたいですね。
地域がどう戦略を練ってどうこの資源を生かしていくかが、今後の再エネ導入の試金石になると思っています。長い目で見て、地域にある資源を最大限生かせる仕組みをつくっていく必要があります。
1958年生まれ。京都大大学院修士課程修了。工学博士。三菱重工業で風力発電開発などに携わった。2016年に弘前大教授、18年から現職。NPO法人青森風力エネルギー促進協議会理事長、一般社団法人日本風力エネルギー学会副会長。
2021年9月に公表した国内最大級の陸上風力発電計画から撤退
日本の風力・太陽光発電事業大手であるユーラスエナジーホールディングスが2021年9月に公表した国内最大級の陸上風力発電計画は頓挫しました。計画は青森県の八甲田山系で行われる予定でしたが、地域住民や地元の首長の反対運動があり、事業者は計画を修正しましたが撤退することを決定しました。
弘前大地域戦略研究所長の本田明弘教授によると、計画進め方には問題がありました。計画区域が広すぎたため、環境への負荷や景観に対する懸念がありました。また、地域のニーズを調査したり、地域住民の声を吸い上げる取り組みが不足していたと指摘されています。加えて、地域振興策が不十分だったとも言われています。
本田教授は、風力発電を地域のエネルギーとして活用するために、地域の人々が実感できるような価値を付けることの重要性を強調しています。地域に税金を納めるだけでなく、住民の恩恵につながる工夫が必要であり、地域の長期的な支えとなるエネルギーの導入が重要だと述べています。
また、ゾーニングの導入や地域の戦略策定が重要であると主張しています。風力発電を最大限に活用するためには、地域の状況を理解し、地域の資源を生かす仕組みをつくる必要があるとされています。
全体を通して、風力発電の導入においては地域のニーズを十分に把握し、地域の活性化に寄与する仕組みを作ることが重要であると指摘されています。
感想:
マーケティング担当者として、このニュースから得た感想は、再エネ導入には地域の理解と協力が不可欠であるということです。ユーラスエナジーホールディングスの風力発電計画は、計画区域が広すぎたことや地域のニーズを十分に把握しなかったことが問題とされています。地域住民の反対や景観への懸念もあり、計画は頓挫しました。
このような事例から、再エネ導入には地域振興策や地域の活性化策が重要であり、地域の人々が実感できるような恩恵を生み出す仕組みが必要であると考えます。地域のエネルギー資源を最大限に活用するためには、地域の声を丁寧に聞き、住民の理解と協力を得ることが不可欠です。
&Buzzとしては、再エネ導入において地域の協力を得るためのコミュニケーションや関係構築が重要だと考えます。地域のニーズを理解し、地域の人々が応援したいと思えるような仕組みを作ることで、再エネ導入への理解と協力を促進することができるでしょう。今後の再エネ導入が地域の活性化につながるよう、見守っていきたいと思います。
この &Buzzニュースは、The MainichiのニュースをAndbuzzが独自にまとめたもの。
