【マイドクター会員ご招待】ウェビナー開催 健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
2023/9/13 幸井俊高=薬石花房 幸福薬局代表・薬剤師
線維筋痛症は、全身に激しい痛みが生じる疾患です。幸福薬局の幸井俊高さんは、「漢方では、線維筋痛症の痛みは気・血・津液など人体の構成成分の「流れ」や「量」と深い関係にあると捉えています。漢方薬で気・血・津液の流れや量を整えることにより、線維筋痛症の治療を進めます」と話します。
高校2年の女性であるAさんは、長袖シャツが肌に触れても痛みます。関節より筋肉が痛みます。寝ている間に体重で痛みが生じて目が覚めることが多く、ぐっすり眠れません。頭痛もあります。刺されるような痛みです。肩こりも慢性的にあります。舌は紫色を帯び、表面に紫色の斑点がみられます。
線維筋痛症は、全身に激しい痛みが生じる疾患です。筋肉や関節などに疼痛が生じ、体幹や四肢など全身に広がります。男性よりも女性に多く見られます。以前は非関節性リウマチや心因性リウマチなどと呼ばれていました。
全身の慢性疼痛に加えて、疲労感や手指のこわばりや腫脹、四肢のしびれ、震え、微熱、睡眠障害、うつ状態などの症状も見られます。脳の機能障害が原因とも考えられていますが、明らかな原因は不明であり、一般的な検査をしても異常は見つかりません。
西洋医学での治療には、プレガバリン(商品名リリカ)などの神経障害性疼痛治療薬、抗てんかん薬、デュロキセチン(同サインバルタ)などの抗うつ薬、オピオイドなどが使われます。体操やヨガ、有酸素運動、ストレッチ、散歩などの運動療法も行われます。痛みで眠れない場合は睡眠導入剤が使われることもあります。一般的な非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などは効果が認められないケースがあります。
漢方では、痛みは気・血・津液など人体の構成成分の「流れ」や「量」と深い関係にあると捉えています。気は生命エネルギーに近い概念であり、血は全身を滋養する血液や栄養、津液は体内の水液を指します。
まず流れについては、中医学に「不通則痛」という言葉があります。「通じなければ痛む」と読みます。体内での気・血・津液の流れがスムーズでないと痛みが生じるという意味です。
量については、「不足則痛」という原則があります。「不足すれば痛む」と読みます。人体にとって必要な気・血・津液が不足すると痛みが生じるという意味です。栄養や潤いが十分に供給されないと、その部分が正常に機能できず、痛みが生じます。
したがって漢方では、これら気・血・津液の流れや量を整えることにより、線維筋痛症の治療を進めます。
このニュースに対する感想:
漢方の考え方では、線維筋痛症の痛みは気・血・津液の流れや量に関係していると捉えられます。西洋医学の治療では、神経障害性疼痛治療薬や抗うつ薬などが使われますが、漢方では痛みの原因となる流れや量の不調を整えることが重要とされています。この漢方のアプローチによる治療が線維筋痛症の改善に役立つかどうかは今後の研究や臨床経験によって明らかになっていくでしょう。&Buzzとしては、漢方の研究や効果に注目し、その今後の展開を見守っていきたいです。
この &Buzzニュースは、Nikkei.co.jpのニュースをAndbuzzが独自にまとめたもの。