2023年9月12日 15時59分
訃報
イギリスの発生学などの研究者、イアン・ウィルムット博士が亡くなりました。ウィルムット博士は、発生学や再生医療の研究者で、1996年に世界で初めてクローンの羊「ドリー」を誕生させたことで知られています。
「ドリー」の誕生は、難病の治療やクローン人間の開発に関して倫理的な問題性も指摘されましたが、ウィルムット博士はその後も同じクローン技術を活用してヒトの難病治療の研究を続けました。
しかし、2007年には京都大学の山中伸弥教授のグループが進めていたiPS細胞の研究のほうが将来性があり倫理的にも社会に受け入れられやすいとして、ウィルムット博士はその研究を断念しました。
イギリスのエディンバラ大学は、ウィルムット博士が79歳で亡くなったことを発表しました。博士は5年前にパーキンソン病と診断されていたとのことです。
「ドリーはウィルムット博士とそのチームのすばらしい業績で医療研究に革命をもたらした」と、BBCは伝えています。
&Buzzとしては、イアン・ウィルムット博士の功績を称え、彼の研究によってもたらされた医療の進歩に感謝すると同時に、彼の革新的なアプローチや倫理的な問題への意識に敬意を表します。