2023年9月16日 17時48分
ラグビーW杯 2023
ラグビーワールドカップフランス大会の1次リーグに臨んでいる日本代表は、現地時間の今月17日、日本時間の18日に行われる第2戦のイングランド戦に向けた23人のメンバーを発表しました。先発には初戦をけがの影響で欠場したキャプテンの姫野和樹選手が復帰するなど、初戦のチリ戦から4人が入れ替わっています。NHKは試合の模様をBS1やBS4K、ラジオ第1で中継します。
《日本は先発4人を入れ替え》
◆日本代表 先発メンバー◆
《日本代表 選手・HC談話》
《イングランドもメンバーを発表》
◆イングランド 先発メンバー◆
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★イングランド担当記者はどう見る?
【NHK放送予定】
今月8日に開幕したワールドカップフランス大会は1次リーグが行われています。初戦で初出場のチリに42対12で勝った日本は、日本時間の今月18日に行われる2戦目で前回大会準優勝の強豪、イングランドとニースで対戦します。世界ランキングは日本が14位、イングランドが1次リーグのプールDで最も上位の6位です。
選手たちは15日、試合会場となるスタジアムで調整を行い、その後、イングランド戦に向けた23人のメンバーが発表されました。このうち15人の先発メンバーは、初戦のチリ戦から4人が入れ替わり、初戦をふくらはぎのけがの影響で欠場したキャプテンの姫野選手がナンバーエイトで復帰しました。
また、危険なタックルによる出場停止処分が明けたピーター・ラブスカフニ選手がフランカーに入ったほか、チーム最年長、37歳の堀江翔太選手がフッカーで、23歳の長田智希選手がセンターで先発出場します。攻撃の起点となる、スクラムハーフには、副キャプテンの流大選手、司令塔のスタンドオフには松田力也選手がチリ戦に続いて入りました。このほか控えには初戦でトライを決めたロックのワーナー・ディアンズ選手やスクラムハーフの齋藤直人選手などが入りました。対戦するイングランドは、日本が過去10回対戦して1度も勝ったことがない相手で、この試合は1次リーグ突破に向けて大きな山場となります。
1.稲垣啓太(33)2.堀江翔太(37)3.具智元(29)4.ジャック・コーネルセン(28)5.アマト・ファカタヴァ(28)6.リーチ マイケル(34)7.ピーター・ラブスカフニ(34)8.姫野和樹(29)※キャプテン※
9.流大(31)10.松田力也(29)11.ジョネ・ナイカブラ(29)12.中村亮土(32)13.長田智希(23)14.松島幸太朗(30)15.セミシ・マシレワ(31)
フォワード5人、バックス3人です。16.坂手淳史(30)17.クレイグ・ミラー(32)18.ヴァル アサエリ愛(34)19.ワーナー・ディアンズ(21)20.下川甲嗣(24)21.齋藤直人(26)22.ディラン・ライリー(26)23.レメキ ロマノ ラヴァ(34)
ジェイミー・ジョセフヘッドコーチはイングランド戦に向けて「この試合に向けてしっかり練習を重ねてきた。すばらしいチームと戦えることをうれしく思う。チリ戦とは違う戦いになる」と心境を話しました。イングランドは、これまでの試合でも見せてきたボールを高く蹴り上げる「ハイボール」を使った戦術を多用してくることが予想されます。ジョセフヘッドコーチは「たくさん蹴ってくると思うが、バックスの選手たちはボールをキャッチする練習をして成長している」と話し、ハイボールへの対応に自信を示しました。また、相手のフォワードについては「スクラムやラインアウトのセットプレーでプレッシャーをかけてくる」と警戒しながらも、日本の先発のフォワード8人を「われわれのベストなフォワードだ」と強調し、イングランドの強力フォワード陣に対抗できると話しました。
キャプテンの姫野和樹選手は「前の試合はリスクを回避して欠場した。状態としては1試合スキップした分フレッシュだ。コンディションとしてはすごくいい状態。今回の試合は、自分がキャプテンとしてしっかりパフォーマンスを出すことが非常に重要になると思う。自分のパフォーマンスでリーダーシップを発揮したい」とイングランド戦にかける意気込みを語りました。そのうえで「自分たちができる準備は100%してきたのであとは本当にやるだけ。この試合に向けて『ブレイブ』ということばでチームを引っ張ってきた。本当に勇気を持って恐れずに自分たちのプレーをし続けるというマインドがすごく重要になってくる」と話しました。
ワールドカップ4大会連続出場のリーチ マイケル選手はイングランド戦を前にした心境について「ワクワクしたり、緊張したり、怖くなったりしてその繰り返しだ。ピッチに立ったらタックルやボールキャリーでチームに貢献していきたい」と話しました。そして「2015年のワールドカップで南アフリカに勝って歴史が変わった。イングランド相手にも立ち向かっていき、勝って歴史を変えたい」とことばに力を込めました。また、相手の強力フォワードについて「スクラムやモールへの対策、プランはある。試合を見ればわかりやすく何をしているかわかると思う。モールディフェンスは今週たくさん練習してきた」と自信を示しました。一方、日本の攻撃面に関して「去年のテストマッチではまったく前進できずに終わってしまった。細かいパスを多く出して少しでも前に出られれば自分たちのアタックができる。前に出られなかったときのプランもある」と話し、状況によって戦い方を変えていくことを明かしました。
ウイングの松島幸太朗選手は、イングランドが得意とする高く蹴り上げるハイボールの対策について「ハイボールを奪い合うときのプレッシャーはどのチームもきついので、毎試合準備している。ほかのチームより蹴ってくる回数が多いと思うので集中していきたい。まわりに味方の選手がいると信じてボールを捕りにいくだけだ」と話しました。相手のバックスのディフェンス面については「結構守備のラインを上げてくる印象がある。自分たちは深く距離をとって空いているスペースにボールを回していきたい。上がってくる相手に対してパニックにならずに落ち着いてプレーしたい」と話しました。そして「1次リーグを通過するにあたって負けていい試合はひとつもない。一戦一戦目の前の相手に集中していきたい」と落ち着いた語り口で決意を示しました。
日本が1次リーグの第2戦で対戦するイングランドが23人のメンバーを発表し、初戦でキックで全得点を挙げた司令塔のジョージ・フォード選手らが選ばれました。
15日、ニースで行われたイングランド代表のメンバー発表の記者会見には、スティーブ・ボーズウィックヘッドコーチと、日本戦のキャプテンを務めるコートニー・ローズ選手が出席しました。15人の先発メンバーでは、初戦のアルゼンチン戦から3人が入れ替わりましたが、初戦、キックでチームの全得点をたたき出した司令塔のスタンドオフ、ジョージ・フォード選手や、ロックのポジションで、世界的名手として知られるマロ・イトジェ選手らが順当に選ばれました。また控えには、イングランド代表として歴代最多キャップを誇り、多彩なキックに定評があるスクラムハーフのベン・ヤングス選手が入りました。一方で、イングランド代表は危険なプレーによる出場停止処分が相次いでいて、日本戦は、本来のキャプテンであるオーウェン・ファレル選手、フランカーのトム・カリー選手の主力2選手が欠場します。
ボーズウィックヘッドコーチは「日本は技術とスピードがあるチームで、ボールを持つのがとてもうまく、ほかのチームとは違った方法で挑戦してくるチームなので要注意だ。今週は日本戦に向けた準備をしてきたので、選手たちは試合を楽しみにしている」と話していました。
ローズ選手は「できるだけ楽しんでプレーして勝ちたい。キャプテンの姫野和樹選手はボールを運ぶ能力がある素晴らしい選手だ。ほかにも優れた選手がいるが、彼らを超えて勝利したい」と話していました。
15年以上にわたり、ラグビーの取材を続けるイギリスの公共放送、BBCのクリス・ジョーンズ記者は、日本とイングランドの対戦について「日本が勝つ可能性は15から20%くらいだと思うが、日本が自分たちのリズムを取り戻し、テンポのあるラグビーをすれば驚くべきことが起こるかもしれない。不調と言われていたイングランドはアルゼンチン戦で自信を取り戻したが、試合はすべて違う。日本に対してただキックするだけではなく、トライを決めることも必要になってくる」と話しました。
&Buzzとしては、日本代表のイングランド戦に向けて応援しています。不利な戦いではありますが、頑張ってほしいと思います。日本代表はこれまでも技術とスピードを活かし、驚くべき試合を見せてきました。そして、素晴らしいキャプテンである姫野和樹選手が復帰し、チームを引っ張っています。イングランド相手にも自分たちのリズムを作り、テンポのあるラグビーで戦ってほしいと願っています。この試合に向けて、日本代表のメンバーやヘッドコーチのコメントからは、意気込みと自信が感じられます。ハイボールへの対応や相手のフォワードへの警戒など、準備も十分にしています。イングランドも強豪ですが、日本がブレイブなプレーを続け、応援していくことを願っています。
日本とイングランドの試合、NHKはBS1やBS4K、ラジオ第1で中継します。