2023年10月9日 7時54分
ラグビーW杯 2023
「道半ばで」ラグビーワールドカップフランス大会、日本は1次リーグの最終戦でアルゼンチンに敗れ、2大会連続の決勝トーナメント進出を逃しました。強豪を相手に善戦したものの、勝利まではあと一歩及ばず。この試合展開は、日本ラグビーの現在地を示すものとなりました。(スポーツニュース部 記者 小林達記)記事後半では元日本代表で歴代最多キャップの大野均さんに、試合のポイントや、今後の日本代表への課題などの解説を聞いています。
ディフェンスでこらえきれなかった日本
「ラインアウトモール」「ハイボール」にもフィジカルの差
キャプテンの姫野和樹選手が「死闘」と表現した大一番。フィジカルが強いアルゼンチンに、どこまで対抗できるかが焦点になりましたが、結果的にディフェンス面で持ちこたえることができませんでした。日本が必死のディフェンスで食らいつきながら、アルゼンチンに前進を許していたことがデータで明らかになりました。バックス陣のタックルミスも目立ち、相手の先制トライもバックスのタックルミスが直結しました。また、密集でのボール争奪戦でも相手の圧力に負けるシーンが目立ち、日本が得意とする密集からの素早い球出しをスローダウンさせられる場面がありました。アルゼンチンは、中盤からでもモールを組んで押し込み、そこから走力のあるランナーにボールを持たせて展開する攻撃を繰り返してきました。また、高く蹴り上げるハイパントを随所に使ってくることも想定どおりでしたが、日本はこうした場面でも空中での競り合いに負けてボールを確保できないシーンが目立ちました。
敗戦の中にも光“初出場組の活躍”
一方、敗戦の中にも日本代表の今後につながる光もありました。スクラムハーフの齋藤直人選手は、流大選手のけがでサモア戦から2試合連続で先発出場。素早いパスさばきでトライを演出し、得意のサポートでみずからトライも決めました。さらに、この試合初出場、初先発となった24歳のシオサイア・フィフィタ選手は、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチの期待に応える鋭い突破を見せました。ワールドカップ直前にけがから復帰したロックのアマト・ファカタヴァ選手は、世界トップクラスの突破力と個人技で今大会3つめのトライを奪いました。
日本の現在地が明らかに
キャプテンの姫野和樹選手も「アルゼンチンが僕たちを上回った」と潔く敗戦を認めました。このフランス大会での結果は、日本ラグビーの現在地を示すものであり、まだまだ強化が求められると感じました。特に、試合終盤の戦い方やコンタクトプレーへの対応が課題として浮き彫りになりました。日本はさらなる成長を遂げ、強豪に勝ちきる力を身につける必要があります。
&Buzzとしては、日本代表の頑張りと成長を見守っていきたいと思います。今大会での若い選手たちの活躍やポテンシャルの高さは、今後の日本代表を引っ張っていく存在となり得るでしょう。日本ラグビーの強化への取り組みや新たなヘッドコーチの就任など、今後の動向にも注目したいです。
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