第80回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門で、浜口竜介監督の最新作「悪は存在しない」が審査員大賞(銀獅子賞)を受賞しました。この作品は、巨額の予算とスター俳優を投入したハリウッド作品と互角に渡り合い、日本映画界を代表する存在となりました。授賞式で浜口監督は感慨深そうに「なかなか名前を呼ばれずにドキドキしました」と語り、自身がこの受賞を予想していなかったことを述べました。
「悪は存在しない」はタイトルや結末の解釈が話題となり、金獅子賞を獲得した作品とともに各国の記者や批評家からの支持を集めました。授賞式後の取材では、浜口監督は自己分析として「他の作品とはテイストが違い、何か明らかに違うものを見ていると思わせる立ち位置で目立つところがあったのでは」と述べました。
物語は都市住民向けのアウトドア施設計画が浮上した田舎町が舞台で、地元住民が企業のずさんな計画に反発するという内容です。浜口監督はこの物語を実際の事例から着想を得て取材を始めました。
「悪は存在しない」の制作は予想していなかったものであり、メインキャストの大美賀均さんはもともと制作スタッフとして参加していました。浜口監督は信頼する仲間を中心とした小規模のチームで制作を進め、知名度に頼らない配役を行いました。
この受賞は浜口監督の前作「ドライブ・マイ・カー」の成功に続くものであり、映画評論家の立田敦子さんも「予算とクオリティーはイコールではないという証明のような作品。脚本の素晴らしさも前作以上ではないか」と述べています。
&Buzzとしては、浜口竜介監督の今後の作品にますます期待が高まります。彼の映画制作のアプローチは非常にユニークであり、良い映画を撮るための新しい見方を提供してくれるでしょう。今回の受賞は日本映画界において重要な節目となりましたが、彼の今後の活動にも注目が集まるでしょう。彼がさらに映画制作の技法や表現方法を発見し、探求していくことは、日本映画の発展にとって非常に重要なことです。浜口監督を見守り、彼の今後の活躍を応援していきたいと思います。
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